動物行動学から見る人材教育<明日をより良く。ただそれだけを追求する>


馬には年末もなければ正月もない。

ただ同じ毎日が繰り返されるだけ。

だからこそ、明日をより良く。

それだけを追求する。






今年の年賀状のテーマは、まさにこれでした。
H24年賀状.jpg

写っているものは蝉の脱け殻です。
年賀状の一番下にこんな一文があります。
I am Alpha and Omega, the biginning and the end, the first and the last.
(わたしはアルファでありオメガである。始まりであり終わりである。最初であり、最後である。)

これはヨハネの黙示録からの抜粋です。この引用に謎が隠されています。


蝉の脱け殻は「オメガ・終わり・最後」なのでしょうか。
確かに抜け殻という以上はそうなのかもしれませんが、同時に成虫としての蝉の始まり(アルファ・始まり・最初)でもあります。
いま目の前にある事柄が結果だと見えているかもしれませんが、実はそれが次の始まりであることは多くのことにも当てはまるでしょう。

馬には年末も正月もありません。
平日も土日もありません。
ただ同じ毎日が繰り返され、その日が良かったか悪かったかしかありません。
競技馬に求められるものは、今日よりも明日が良くなっていることだけです。
だからこそわれわれライダーは、明日をより良くすることだけを考えて馬をトレーニングします。
明日がより良くなれば、その延長線上には輝ける未来があるはずです。

人も同じです。
人間の社会には年末や正月、年度末、夏休み、クリスマスなどたくさんの節目があります。
もちろん節目には意味があり、それは重要であることには違いありません。
しかしこの節目が時には邪魔をすることもあります。
人が本気で向上を求める時、そこには節目は存在しません。
ただ同じ毎日だけが繰り返され、最後に結果だけが存在します。
今日よりも明日をより良く出来る人だけが、その結果を輝ける未来とすることが出来ます。
これは難しいことではないはずです。
多くの人が間違ってしまうのは、自分を他人と比較するからです。
明日をより良くすることだけを考えるならば、比較する対象は自分のはず。
今日の自分より明日の自分をより良くすることが出来るならば、いつかは必ず求める未来が手に入ります。