簿記を学んでも決算書は読めるようにならない!?

−−−あなたはなぜ会計を学ぼうとするのでしょうか。−−−

経理担当者であれば、「帳簿を作成するため」あるいは「決算書を作成するため」でしょう。
経営者や管理職の方はどうでしょう。
「決算書を読みこなすため」あるいは「会計を経営に役立てるため」でしょう。

現代の日本において会計を学ぼうと思えばどうすれば良いのでしょう。
まずは日商簿記検定などで会計を学ぼうとする方が多いのではないでしょうか。
経理担当者は日商簿記検定の3級や2級を学ぶと「帳簿を作成するため」あるいは「決算書を作成するため」のスキルが身につきます。
それでは経営者や管理職はどうでしょうか。


−−−公認会計士試験に合格しても決算書は読めない!?−−−

実は日商簿記検定1級をマスターしたところで「決算書を読みこなすため」あるいは「会計を経営に役立てるため」の知識は身につかないのです。
なぜなのでしょうか?
これには明確な理由があります。
現代の日本で学べる会計学は、ほとんどすべてが「財務会計」と呼ばれるものだからです。
「財務会計」とは債権者保護のための会計であり、ディスクロージャーのための会計なのです。つまり、決算内容を第三者に報告するために発達してきたものなのです。ここには「経営者のため」という視点は全く含まれていません。

「そうは言っても、作り方を学べば読み方も分かるはずでは?」
本当でしょうか?
もしそれが本当であれば、日商簿記1級を学んだ人たちはみんな決算書が読めるようになっているはずです。
日本における会計関連の試験で最高峰と言われる「公認会計士」や「税理士」の試験に合格してきた人でさえ、実はその知識だけでは決算書を読みこなすことはできないのです。


−−−読むためには読むための勉強が必要です。−−−

それではどうすれば決算書が読めるようになるのでしょうか。
「決算書を読む」という定義がむずかしいのですが、実は決算書を読むこと自体はさほど難しくはありません。読むための勉強をしさえすれば、誰でも数時間で読めるようになるのです。